第130章 恩人と呼べ!

三回の治療が終わると、久我月は針を抜き、中村少華たちを中に入れた。

皆は急いで扉を開けて入り、何人かの西洋医学の医師が一橋貴明の診察に向かった。最初は久我月を冷やかしていたのに、今では見上げるほどの存在になっていた!

全員がこの光景を信じられない思いで見つめ、まるで夢を見ているかのように頭がふわふわし、頬が熱くなるのを感じた。

久我月は机の傍に座り、ボールペンでゆっくりと処方箋を書いていた。少し下がった眉目は冷たく、とても美しかった。

誰も久我月の邪魔をする勇気がなく、彼女が処方箋を書き終えると、中村沛里に渡した。「鍼灸の後はこの薬を服用する必要があります。一日二回、朝晩に煎じて飲んでください。」

「はい、はい、分かりました。」

中村沛里は急いで処方箋を見下ろした。とても整った梅花小楷で、医師たちの乱雑な字よりもずっと読みやすかった。