坊主兄貴の視線が一人一人をゆっくりと見渡し、小池紀之と鈴木月瑠を見た時、その目がより一層光った。
鈴木月瑠と小池紀之は若いながらも、その存在感は誰よりも圧倒的で、さらにさっきの銃撃も……
鈴木月瑠は冷たい表情で、目を伏せながら銃を拭いていた。
黒々とした銃口からまだ煙が立ち上っているのが見えた。
鈴木月瑠が素早く発砲したため、銃口で大きな摩擦が生じ、煙がまだ完全に消えていなかった。
その光景を見て、坊主兄貴の目つきはさらに険しくなった!
まさか……さっきの銃撃は、この少女が放ったのか?
そう考えると、坊主兄貴はさらに警戒を強めた。
中村桑が前に出て、ごまかすように言った。「実はね、仲間の一人が砂金採りに夢中になって、ここに無断で入ってしまったんです。バガン地域は危険だと聞いていたので、現地の人に案内してもらって、その仲間を探しに来たんです!」
坊主兄貴は明らかにその話を信じていない様子で、中村桑の目をじっと見つめ、何か手がかりを得ようとした。
しかし中村桑も並の人間ではなく、冷静沈着に対応し、坊主兄貴に何も読み取らせなかった。
坊主兄貴は再び鈴木月瑠と小池紀之を見て、この二人が並の人間ではないことを悟り、陰鬱な目つきで尋ねた。「警察か?」
彼らは全員銃を持っていた。もし本当に警察なら、非常に危険な状況になる!
特にあの射撃技能の高い女の子が!
彼らがここで砂金採りをしているのは、行き詰まっていたからで、おそらく殺人事件に関わっており、警察を特に憎んでいた。
「私たちが警察なわけないでしょう?警察はこんな格好してませんよ!」
中村桑は笑いながら、坊主兄貴の方へ歩み寄った。坊主の部下たちは即座に銃を握り締めた。
彼は袖をまくり上げ、腕に刻まれた狼の刺青を見せた。「緊張しないで、実は私たち狼牙組の者なんです!」
中村桑の腕の刺青を見て、坊主兄貴たちは一瞬戸惑い、お互いを見つめ合った。何を考えているのかわからない。
狼牙組は確かに銃を持っているが、警察も銃を持っている。ただ、中村桑の腕に刺青があることで、皆の表情は少し和らいだ。
顔に刀傷のある男が手を振って言った。「お前らが誰を探してるかは知らねえが、ここには俺たち仲間しかいねえ。用がないなら早く出てけ!」