小池紀之と竹内北は同時に頭を上げ、鈴木月瑠の前に歩み寄ると、無表情な顔をしていた。
鈴木月瑠は口角を少し上げ、意味深な笑みを浮かべた。「緊張しないで、冗談よ。本は読んだし、地雷も処理したことあるから」
その言葉を聞いて、小池紀之の無感情な目にようやく緩みが見えた。それでも口では「聞きたくない、聞きたくない」と言った。
鈴木月瑠の唇の笑みは邪悪で野性的で、夜の闇の中で瞳が輝いていた。「本当よ、私について来れば死なないわ。私の方があなたたちより頼りになるから」
小池紀之は今度こそ鈴木月瑠が冗談を言っていないと確信した。「そんなに面白いの?」
「まあまあかな」
鈴木月瑠は意地悪く笑った。
……
「色々な地雷にマークを付けておいたけど、見落としがあるかもしれない」
鈴木月瑠は一通り作業を終えてから、立ち上がった。