第351章 これは天が清朝を滅ぼそうとしている!

小池紀之の目は暗く沈んでいて、説明した。「捨狼会が裏山を諦めたのは、裏山が地雷原だからです」

国境地帯は元々地雷が多く、これは廃棄された軍事基地で、周辺に住民もいないため、撤去されずに残されていた。

山脈は広大で、地雷原も当然広範囲に及び、裏山一帯は赤線で立入禁止になっていた。

爆発物処理の専門家でさえ精密機器を使っても無事とは限らず、しかも一橋家の闇ガードは全員が軍人出身というわけではなく、地雷処理は得意ではなかった。

特殊部隊出身であっても、地雷処理の際に一切の事故が起きないと誰が保証できるだろうか。

小池紀之が自慢するわけではないが、裏山で地雷に吹き飛ばされるくらいなら、正面から彼らと死闘を繰り広げた方がましだと思った。

鈴木月瑠は目を伏せ、まつ毛が影を落とし、瞳の奥には淡い感情が浮かんでいた。「時間がない。小池紀之、全員を集めて装備を整え、裏山へ撤退して」

狂気の沙汰だ!

まったく正気を失ったに違いない!

無優は鈴木月瑠に怒り心頭だった。「頭がおかしいんじゃないのか。地雷処理の達人である七男の若様が気を失っているのは置いておくとしても、小池隊長でさえ安全に通過できるとは限らない。もし誤って地雷を踏んでしまったら、連鎖爆発が起きなければまだいいが、敵が音を聞きつけて追ってきたら、お前は...」

「じゃあ爆死すればいいじゃない!」

鈴木月瑠の漆黒の瞳は冷たく、唇の端には意味ありげな笑みを浮かべ、眉目には邪気が漂っていた。「闇ガードとして、命令に無条件で従うのは天職だ」

「私がお前なら、みんなを突破させる能力もないくせに、ここで無駄口を叩いて、息を無駄にして人を怒らせたりはしない」

無優:「......」

「それに、私が狂人だと言ったよね。うっかり銃が暴発でも...」鈴木月瑠は唇の端を上げ、声は淡々としていて、弾丸をマガジンに装填した。

彼女は後ろに数歩下がった一同を見渡し、警告の眼差しを向けながら、ゆっくりと言った。「他に意見はある?」

一同:「......」

装填された銃を振り回されては、意見があっても言える訳がない。

彼らは地雷処理の技術がそれほど高くない小池紀之の方を見て、尋ねた。「小池隊長、私たちはあなたの言う通りにします。どうすればいいですか」

「ここで中村次男の若様の支援を待つのはどうでしょう!」