第355章 一網打尽

しかし彼が知らなかったのは、今夜、鈴木月瑠が鈴木静海に何度も連絡を取ろうとしていたが、電話が通じず、連絡が取れない状態だったことだ。

木ノ部係長はもちろんそんなことは知らず、これを聞いて急いで言った。「鈴木お嬢さん、私が札幌市に行った時は鈴木さんにはお会いできませんでしたが、伊藤哲によると、鈴木さんは中村楽お嬢さんと連絡が取れて、事件はすぐに解決できるそうです。」

鈴木月瑠は事件のことは気にせず、直接尋ねた。「伊藤哲の電話番号は?」

木ノ部係長が素早く番号を伝えると、鈴木月瑠は電話を切り、伊藤哲に電話をかけ直した。

伊藤哲はその時まだ忙しく、電話に出る時も着信を確認せず、木ノ部係長からだと思って出た。

「木ノ部部長、帝都に着きましたか?」

「こちらの事件に新しい進展がありまして、中村楽が生きている容疑者を捕まえました。今から取り調べに行くところです。終わり次第、ご連絡させていただきます!」