第354章 私は忙しいの

「どうですか?鈴木お嬢さんは承諾してくれないのですか?」藤さんは部長の表情が良くないのを見て、鈴木月瑠が断ったのだと思った。

「いいえ、違います」

部長は首を振って言った。「鈴木家の執事によると、鈴木月瑠さんは帝都にいないそうで、いつ戻ってくるかも分からないとのことです」

それを聞いて、藤さんはほっとして言った。「大会まであと半月あります。まだ半月の時間がありますよ!」

部長は頷き、後ろの隊員たちに向かって一字一句はっきりと言った。「そうだ、どうあっても鈴木月瑠さんを招かなければならない!」

……

一行はすぐに市内で中村少華と合流し、中村少華は軍医を連れてきていた。鈴木月瑠は軍医と症状について話し合っていた。

ここに現れた鈴木月瑠を見て、中村少華は彼女がどうやってここに来たのか聞くのを我慢したが、彼女が軍医と話し合うふりをしているのを見て、眉をひそめずにはいられなかった。