第361章 一日の師は終生の母

「ふん、鈴木家を甘く見たな。今すぐ上に電話して、誰が鈴木家に喧嘩を売っているのか見てやろう!」

鈴木家は軍政の名家で、鈴木雲春も鈴木剛士も軍隊出身だ。今は公務員とはいえ、権力を持つ大物だった。

鈴木家に喧嘩を売ってきたとは、特殊捜査課だろうが何だろうが、徹底的にやってやる!

これを聞いた鈴木大御爺さんは更に激怒した:「甘やかすな!すぐに日本総局に繋いでくれ、月瑠の後ろ盾になってやる!」

医療スタッフは玉木を手術台に運び、有田楽良は臓器不全を遅らせる薬を注射した。

その後、有田楽良は玉木から数本の採血を行い、抗凝固剤を注射した。

有田楽良は感情を持たない生物のように、消毒済みのメスを手に取り、躊躇なく玉木の腹部を切開した。

抗凝固剤の効果で血液凝固が抑制され、腹部を切開しても出血はなかった。

彼女は蒼白い顔で横たわり、その精緻で美しい顔立ちは、まるで生命のない磁器人形のようだった。

有田楽良が玉木の心臓を取り出そうとした時、それまで安定して航行していた艦船が、けたたましい警報音とともに突然激しく揺れた。

手術室内の人々は慌てて顔を上げ、有田楽良を除く数名の医療スタッフが急いでドアを開けて外を確認した。

甲板には迷彩服を着た部隊が立っており、銃を構えていた。特殊捜査課がそれを阻止し、両者は対峙していた。

有田楽良がデータを記録し、次の作業に移ろうとした時、半開きの手術室のドアが突然蹴り開けられた。

銀白のマスクをつけた二人の男が突入してきた。彼らは黒い拳銃を手に、有田楽良の心臓を狙っていた。

「解剖を中止しろ。さもないと、お前を殺す」龍田へびは毒蛇のように危険な目つきで有田楽良を睨みつけた。

有田楽良は龍田へびと玄武のマスクの印を見て、メスを握る手に力が入った:「暗殺者連合?」

外には迷彩服の男たちがいるのに、入ってきたのは暗殺者連合の者たち……

有田楽良は教授ではあるが、戦闘能力は決して低くない。彼女は深い目窩を細め、手術用メスを投げつけた!

玄武は素早く身をかわし、メスを避けながら、より凶悪な目つきになった:「ふん、本当に俺と戦う気か?」

「無駄話はやめろ、さっさと始めるぞ」龍田へびは苛立たしげに手首を回しながら、極寒の冷気を漂わせた。

先ほど有田楽良は玉木の腹部を切開し、何かを施したせいで、玉木の心拍は更に低下していた。