一連の動作は、鈴木月瑠がたった一分で完了した。
小池紀之は彼女の手慣れた弾丸除去の動作を見て、軽く唇を噛み、顔色が青ざめ、複雑な眼差しを向けた。
「一橋貴明はどこ?会いに行かなきゃ」鈴木月瑠は彼の傷の手当てを終え、普段は潔癖症の彼女が、手についた血も気にせずにいた。
小池紀之は鈴木月瑠を見つめ、弱々しい声で言った。「彼との連絡が途絶えた。今回の襲撃者は、装備から見てM国の傭兵だ。私と貴明には共通の敵がいて、奴らは私たち目当てで来たんだ」
「今回は大勢で来た。私の部下は二人が犠牲になり、もう二人の行方が分からない」
「月瑠、今の私は自分の身を守るのも精一杯で、君を守れない。でも安心して、私に息がある限り、君に危害は加えさせない」
そう言いながら、小池紀之は傍らの銃に手を伸ばした。