第346章 新旧の恨みを一緒に清算

一連の動作は、鈴木月瑠がたった一分で完了した。

小池紀之は彼女の手慣れた弾丸除去の動作を見て、軽く唇を噛み、顔色が青ざめ、複雑な眼差しを向けた。

「一橋貴明はどこ?会いに行かなきゃ」鈴木月瑠は彼の傷の手当てを終え、普段は潔癖症の彼女が、手についた血も気にせずにいた。

小池紀之は鈴木月瑠を見つめ、弱々しい声で言った。「彼との連絡が途絶えた。今回の襲撃者は、装備から見てM国の傭兵だ。私と貴明には共通の敵がいて、奴らは私たち目当てで来たんだ」

「今回は大勢で来た。私の部下は二人が犠牲になり、もう二人の行方が分からない」

「月瑠、今の私は自分の身を守るのも精一杯で、君を守れない。でも安心して、私に息がある限り、君に危害は加えさせない」

そう言いながら、小池紀之は傍らの銃に手を伸ばした。

「バン——」

その時、消音装置付きの銃弾が発射され、体が地面に倒れる音が聞こえた。

小池紀之は鈴木月瑠が敵を仕留めたことを知り、血の混じった唾を地面に吐き、虚ろな声で尋ねた。「月瑠、まだ教えてくれていない。その射撃技能、誰に教わったんだ?」

「関係ないでしょ」

鈴木月瑠は拳銃を下ろし、小池紀之を一瞥してから、彼の傍らの救急箱を見た。「それを持って、一橋貴明を探しに行くわ」

小池紀之:「…………」

鈴木月瑠は彼を無視し、かがんで小池紀之を支え、救急箱を彼の手に渡し、そして——

小池紀之は道中ただ鈴木月瑠の後ろについていくだけでよかった。鈴木月瑠は前方で次々と敵を倒し、一発一発が的確で、彼は自分が足手まといだと感じた。

以前は鈴木月瑠を心配していたのに、結果的に、自分の技術を見直す必要があると感じた。

これが所謂の寝て勝つってやつか?

鈴木月瑠は途中で多くの敵を倒し、歩いているうちに山頂に近づいていた。小池紀之は山頂のかすかな光を見た。

一橋貴明たちがここにいるかもしれないと言おうとした時、頭上から強大な力が襲いかかり、彼を地面に押し付けた。

「早く転がって!」

鈴木月瑠は小池紀之に向かって低く吼えた。

小池紀之は我に返り、躊躇することなく鈴木月瑠の肩を掴み、二人で山腹を転がり落ちた。

彼らが数回転がった後、彼らがいた場所は爆発で吹き飛ばされた。