断ろうとした時、お婆様は鈴木月瑠の意図を察して、「お見合いのお祝いよ。他の女の子たちもみんな貰ってるから、月瑠ちゃんにももちろんあげるわ。受け取りなさい」と言った。
「受け取りなさい。お婆様の気持ちだから」一橋貴明も優しく言った。
鈴木月瑠はようやく安心して受け取り、お婆様を見て「ありがとうございます」と言った。
「いい子ね」
お婆様は一層明るく笑って、傍らのスマートフォンを手に取った。「お婆様とWeChatで友達になりたいんだけど、いいかしら?」
一橋しんていから聞いていたが、鈴木月瑠はWeChatが大好きだそうで、だから特別にWeChatに登録したのだった。
「私の方から読み取らせていただきます」鈴木月瑠は素直に言って、スマートフォンを取ってお婆様のQRコードを読み取った。
お婆様は鈴木月瑠のWeChatをトップに固定し、「可愛い孫嫁」というメモを付け、さらに可愛らしいスタンプをいくつかダウンロードした。
「お婆様が会いたくなったら、すぐに連絡できるわね」
あの不孝者の息子と孫とは違って、特に息子の方は、いつも自分の前で自慢ばかりしている。
ふん!
そう思いながら、お婆様は生配信の件を思い出して、「今日の鈴木家での出来事も、お婆様は聞いたわよ」と切り出した。
鈴木月瑠は「……」
当時は生配信されるとは思わなかったし、少し手加減を忘れてしまった。スマートフォンをあまり使わないお婆様まで知っているとは思わなかった。
お婆様は慈愛に満ちた声で「おじいさまとおばあさまは気を悪くされなかった?」
鈴木月瑠は「おじいさまとおばあさまは怒っていましたが、私が慰めたら、もう怒っていません」と答えた。
「小娘は人の気持ちがよく分かるのね」
お婆様は再び笑みを浮かべ、鈴木月瑠のことが益々気に入って、心配そうな声で「どこも怪我してない?手は痛くない?」
鈴木月瑠は首を振って「大丈夫です。私、喧嘩が強いので、怪我したことありません」
「怪我してなくて良かった」
お婆様は鈴木月瑠の手の甲を軽く叩いて、「今度は自分で手を出さないで。この不孝者の孫に任せなさい。彼も喧嘩は強いのよ」と諭した。
一橋貴明は「……」
鈴木月瑠は素直に頷いて「はい」
実は心の中では:えーと。
お兄様って弱そうだよね、前にパパ活したいって言ってたし。