栗本放治の顔色が、完全に青ざめた。
栗本放治がこの新物質について言及するのを聞いて、鈴木月瑠はその真相を察した。
デルタには四つの一流研究所があり、その下にコンピューターなどの小規模な研究所が多数存在していた。
各研究所は、このような行動様式を取っていた。
自分のものにできないなら、破壊してしまえばいい。
栗本放治の顔は血の気が全く失せ、目は光を失ったように暗く沈んでいた。
当時の実験事故で奇跡的に生き残った栗本放治は、その後、一体どこに問題があったのかを調査していた。
理論上、当時彼らは特に優秀な科学者たちで、事故は完全に避けられるはずだったのに、なぜ事故が起きたのか?
そして、彼が目覚めた数日後には、新物質は既に完全に処理されており、後の調査では単なる事故という結論しか出なかった。