第415章 一体何をしていたの?

栗本放治のまぶたが震え、ゆっくりと目を開けると、鈴木月瑠が目の前に立っているのが見えた。彼は無意識に口を開いた。「月瑠……」

「放治、私に治療させてほしいの?それともこの医者に任せたいの?」月瑠は江川みずきの方へ顎をちょっと上げた。

栗本放治:「……」

彼は状況がよく分からなかったが、江川みずきの方を見て、冷たい口調で言った。「出て行ってください」

それを聞いて、江川みずきの瞳が引き締まった。

彼女は栗本放治の治療を引き受けたものの、彼に会ったのは数回程度だった。

診察の時でさえ、栗本放治は彼女を完全に無視していた。

彼女は、それが栗本放治の冷淡な性格のせいだと思っていたが、彼が鈴木月瑠に対してこのような態度を見せるのを見て、理解した。

江川みずきが動かないのを見て、栗本放治は眉をしかめた。「まだ行かないのか?」