第428章 囲碁

鈴木月瑠は呆然として、頭の中が真っ白になった。

太夫人は一体どういう意味なのか？鈴木月瑠を認めたということ？

鈴木月瑠は驚いて「あ」と声を上げ、ゆっくりと頷いた。「はい、おばあさまのおっしゃる通りに。」

太夫人は眉を開いて笑顔になった。

遠藤音美は唇を強く噛み、さらに納得がいかなくなり、思わず口を開いた。「鈴木月瑠さんは才女で、若くして、医術がこんなにも素晴らしい。」

「針の大村たちでさえ二伯父の足を治療できなかったのに、鈴木月瑠さんは二伯父の足を治療できて、一橋おばあさままで。」

彼女は鈴木月瑠を賞賛するような態度を装い、以前の悪意は全く見えなかった。「私は鈴木月瑠さんがどこで修業されたのか、とても気になります。」

鈴木月瑠はそこに座り、オーラが強く、無関心そうに頬杖をついた。「私がどこで修業したのか、そんなに気になるの？」

「そういう意味ではありません。」

遠藤音美は顎を上げ、軽蔑の色を帯びながらも、表面上は丁寧に振る舞った。「ただ、鈴木月瑠さんは田舎育ちなのに、神業のような医術をお持ちで、本当に天賦の才能をお持ちだと思います。」

この言葉は一橋太夫人に、鈴木月瑠がいくら優れていても、父親不明の私生児であり、そのような身分では一橋家に嫁ぐことはできないと暗に示すものだった。

太夫人は目を細め、にこやかに言った。「月瑠の医術は確かに素晴らしいわ。先日、医学研究所の教授が私に、月瑠を研究所に連れて行きたいと言っていたわ。」

これは太夫人の作り話で、ただ他人が鈴木月瑠を軽視するのが気に入らなかっただけだった。

しかし太夫人は国際的な女性英雄で、かつて国を代表して様々な首脳会議で講演し、論理的で緻密な話術で各国を黙らせたことがある。

彼女は遠藤音美の不適切な態度を直接指摘することはないが、遠藤音美が鈴木月瑠をいじめることも許さなかった。

これを聞いて、遠藤音美の目に嫉妬の色がより一層明らかになった。

研究所の教授たちは常に高慢で、プライドが高く、国家公務員として地位も高い。

しかも、誰もが研究所に入れるわけではない。

遠藤音美は自分が道化師のように感じたが、最後の一刻まで決して諦めるつもりはなかった！