小池紀之は自分の名前が聞こえなかった。「……私は?」
鈴木月瑠は唇を舐め、少しかすれた声で言った。「安池寒の他の地下拠点を探してみて」
小池紀之「……」
鈴木月瑠のそっけない目つきを見て、唾を飲み込み、複雑な様子で口を開いた。「月瑠、僕を信用していないの?」
鈴木月瑠「そんなことないわ」
小池紀之「いや、あるよ」
鈴木月瑠「……」
今そんなことを悩む時か?
「あなたのその任務も、かなり大変なものね」
鈴木月瑠はちっと舌打ちし、真剣な口調で言った。「安池寒の地下拠点を見つけて、一網打尽にできれば、秘密結社のことも調査できる」
「これらの任務を完遂できれば、一年分の実績としては十分でしょう」彼女は小池紀之の肩を叩き、瞳は深い色を湛えていた。
小池紀之「……」
なんでこんなに理にかなっているんだ?