トイレは廊下の奥にあり、鈴木月瑠が歩いていると、突然後ろから冷たい声が聞こえた。「鈴木月瑠?」
鈴木月瑠は眉を上げ、振り返った。両手をポケットに無造作に入れ、だらしない姿勢で。
遠藤音美が彼女の後ろに立っているのが見えた。表情は暗く、鈴木月瑠を見る目は、まるで仇敵を見るかのようだった。
その瞳には、濃い憎しみが宿っていた。
「ちょうどあなたを探していたところよ。まさか、ここで会えるとは思わなかったわ」
遠藤音美は目尻を少し上げ、眉目に軽蔑的な冷たさを浮かべた。「それなら、直接話しましょう」
鈴木月瑠は目を細め、いらだたしげな様子で「話すことなんてないわ」
遠藤音美はそんなことは気にもせず、声を低くして怒りを爆発させた。「鈴木月瑠、警告しておくわ。師匠と知り合いだからって、斉田派を任せてもらえると思わないことね!」