第508章 いつ縁談に行くの?

「まだ分からないの?一橋家の若旦那が勝ったのよ。二人はうまくいってるわ」鈴木太夫人は落ち着いた様子で口を開いた。

白石思曼から鈴木月瑠の一橋貴明に対する態度の変化を聞いて、彼女は理解していた。

鈴木剛士は冷水を浴びせられたように「……」

一橋貴明と付き合うのは、良い選択とは言えない。

それに……

「この前うちで宴会を開いた時、一橋貴明の父親が縁談を持ちかけてきたのを断ったのに、今また縁談って、私が恥ずかしくないか」

鈴木剛士は憂鬱な表情で、一度言った言葉は水をこぼすようなもので、それを取り戻すのは面目が立たないと思った。

「どうせあなたが断ったのよ、私じゃないわ」

鈴木太夫人は老眼鏡を直しながら、考えを整理した。「この縁談は私もあなたのお父さんも弟も賛成よ。一橋家はお金持ちだし、月瑠には相応しいわ」