前回、池田滝から聞いた話では、斎藤閔が遠藤紳史から数億円を騙し取ったそうで、今や三房の口座には数億円の現金がないとのことだった。
遠藤音美は顔を曇らせ、歯を食いしばって叫んだ。「四千万!」
静墨も面白がって、艶やかな唇を上げ、ゆっくりと口を開いた。「五千万。」
「マジかよ!大物たちは狂ったのか、このブレスレットはそんなに価値があるわけないだろう!」
「あれは鈴木月瑠さんじゃないか、上にいるのは遠藤音美さん、なるほど、この二人は恋敵なんだな!そりゃそうだ!」
「誰がブレスレットを手に入れると思う?私は鈴木月瑠さんだと思うわ!」
「私は遠藤音美さんに賭ける!」
「私も鈴木月瑠さんだと思う。月瑠さんこそが遠藤家の正統な令嬢で、最近実家に戻ったばかりだけど、家族からすごく可愛がられているわ。」