第530章 さすが鈴木敏の娘

小池紀之の顔の表情が引き締まった。「彼女に騙されたのか？」

松本旻はまた溜息をついた。「ああ、若い頃、彼女は長年海外にいて、俺を誘惑して、あわや寝るところだった！」

「一橋家のご家族なのに、兎も穴の近くの草は食べないのに、俺なんかとても無理だよ！」

「彼女は俺に会ってから、俺がイケメンじゃないって嫌がって、それ以来相手にしなくなった」

「とにかく、華子も彼女に誘惑されたことがある。寝たかどうかは知らないけど、多分ないだろう。そうじゃなきゃとっくに爆発してるはずだ！」

「お前も気をつけろよ、彼女には要注意だ」

当時一橋清代に嫌われたことを思い出し、松本旻は落ち込んだ。

自分もかなりイケメンなのに、一橋清代はそんなに気に入らなかったのか？

小池紀之：「……」

小池紀之の声が聞こえないので、松本旻は真剣に忠告した。「一橋清代は確かに美人だけど、本当に最低な女だよ。兄弟、騙されるなよ！」

小池紀之が突然これについて電話してきたことで、松本旻は状況を理解した。

「帝都の社交界では、一橋清代がプレイボーイ女だってことを知らない人はいないよ。みんな彼女を恐れてる」

男というものは、自分が主導権を握りたがるもので、自分が遊び人であっても、プレイボーイ女の魚の一匹になりたくはない。

松本旻も例外ではなかった。

それに、彼女は一橋貴明の妹だ。

一橋貴明も一橋清代に対して愛想を尽かしているとはいえ、松本が本当に一橋清代に手を出したら、一橋貴明に皮を剥がされることになるだろう。

小池紀之：「……もういい、俺はもう棺桶の銘柄を決めたところだ」

……

一橋大御爺さんは目覚めてまだ二日だが、回復状態は良好だった。

一橋貴明が鈴木月瑠の手を引いて入ってくると、外から女性の話し声が聞こえてきた。

福おじさんは二人が入ってくるのを見て、すぐに恭しく声をかけた。「七男の若様、鈴木月瑠さん」

その声を聞いて、大御爺さんと話をしていた一橋啓山と曽我南麗が振り向いた。

曽我南麗は直接鈴木月瑠を見つめ、突然驚いたように目を見開き、その瞳に感嘆の色が浮かんだ。

実は、インターネット上の鈴木月瑠に関するニュースは、後に全て削除されていた。