試着室のドアが開くと、中から出てきた少女を見て、皆の目に驚きの色が走った。
鈴木月瑠は真っ白なレースのロングドレスを着ていた。ドレスはやや古風なデザインで、首元はスタンドカラーで隠されているが、かえって首筋の美しい曲線が際立っていた。
鈴木静海が咳払いをするまで、皆は我に返り、急いで鈴木月瑠を引っ張ってメイクを始めた。
鈴木唯一は両手で頬を包み、可愛らしいポーズを取って「わぁ、叔母さん、すっごく綺麗!」と言った。
「じゃあ、ママは可愛くないの?」鈴木静海は小さな女の子のツインテールを撫でながら、低く笑った。
中村楽はそちらを見て「……」
鈴木唯一は中村楽の手を握り、丸い頭を上げて彼女を見つめ、目を細めて「ママも綺麗、叔母さんも綺麗」と言った。
「いい子ね」
中村楽は愛おしそうに笑った。