第586章 鈴木月瑠は大学入試の首席だった！

「遠藤彦を鈴木敏が裏切って、私生児まで産んだせいで、遠藤彦が悲しみのあまり事故を起こしたって話だったのに...何かおかしくない？」

自分を裏切った女の娘に、こんなに嬉しそうに笑いかける男なんて見たことないわ！

安田大御爺さんは急に笑顔になり、顔のしわで蚊が挟まれそうなほどだった。「月瑠が治したのか。さすが我が月瑠だ」

その時、優雅に座っていた鈴木月瑠が、穏やかな口調で言った。「一つ訂正させてください。私は小学校中退ではありません」

遠藤おもみは急に鈴木月瑠を見て、嘲笑った。「小学校中退じゃないって？」

「はっ、あなたは小学校を中退して以来、村から一歩も出てないくせに。小学校卒業してないのに、まさか大卒だとでも言うの？」

「ああそうね、今はお金があるから、学歴を買うことだってできるわよね！」

彼女は腕を組んで冷笑していたが、遠藤彦と遠藤信之の刃物のような冷たい視線に気付いていなかった。

遠藤信之が遠藤おもみを叱ろうとしたが、遠藤彦に止められた。

鈴木月瑠は意地悪そうに唇を歪め、無関心そうに言った。「頭のある人がこんなに愚かだとは思わなかった。学歴認証サイトで確認すればいいのに」

「学歴認証サイト？」

遠藤おもみは一瞬戸惑い、すぐにより皮肉な笑みを浮かべた。「はっ、自分で恥をかきに行くの？」

「見てみれば分かるでしょう」鈴木月瑠は眉を少し上げた。

「待ってなさい。あなたの顔に泥を塗ってやるわ！」

遠藤おもみはスマートフォンを取り出して学歴認証サイトにログインし、【鈴木月瑠】と検索した。

すぐに【鈴木月瑠】という名前の身分情報が全て表示された。

鈴木月瑠という名前の人は多く、学歴は高いものから順に並んでいた。

鈴木月瑠は小学校も卒業していないから、きっと一番下にいるはずだわ。

遠藤おもみはそう思いながらスクロールした。

「私の学歴情報は一番上よ」鈴木月瑠は淡々と言い、意地悪な笑みを浮かべていた。

遠藤おもみは一瞬驚き、嘲笑いながら鈴木月瑠を見た。「いいわ、言う通りにしてあげる」

彼女は画面を一番上までスクロールし、クリックした。

学歴証明写真と身分情報を見た瞬間、遠藤おもみは目を見開き、頭の中が真っ白になった。

彼女は唇を震わせ、喉が詰まったように、やっとの思いで声を絞り出した。「こ...これは...ありえない...」