話している最中、遠藤彦と遠藤信之が入ってきた。
鈴木月瑠はゆっくりと後ろから歩いてきて、すでに着替えを済ませていた。
彼女はポケットに両手を入れ、親族すら見下すような怠惰な足取りで、冷淡な表情を浮かべていた。
遠藤母さんと白石初の会話を聞いて、彼女は突然嘲笑うように笑った。
白石初は熱心に近寄り、月瑠を上から下まで見渡しながら、優しく微笑んだ。「これが月瑠ちゃんね。本当に可愛らしいわ」
「伯母さん」月瑠は素直に挨拶した。
「ええ」
白石初は満面の笑みで応え、月瑠を見るなり気に入ってしまったようだった。「可愛い子ね。これは伯母さんからの初めての贈り物よ」
そう言って、赤い封筒を取り出した。
「ありがとうございます」月瑠は笑みを浮かべながら受け取った。
中には銀行カードが入っているはずだった。