第22章 俺の体を欲しがる

次の日、高倉海鈴が目を覚ますと、別荘の下階が異常に静かなことに気づき、昨日藤原徹が使用人たちを全員追い出したことを思い出した。

藤原徹は長い脚を組んで、ソファに寄りかかりながら書類に目を通していた。高倉海鈴が階段を降りてくるのを見ると、顎をダイニングの方向に軽くしゃくって言った。「朝食を食べに行け」

高野広がキッチンから顔を出して「奥様、お目覚めですか?朝食はすぐできますよ」

高倉海鈴はダイニングに向かい、椅子を引いて、片手で顎を支えながら、キッチンで忙しそうにしている高野広を見つめた。「どうして高野さんが料理を?新しい使用人は来ないの?」

高野広は手を拭きながら「社長が、奥様のお気に入りの使用人を選んでいただきたいとおっしゃっていました」

高倉海鈴は「あぁ」と声を上げ、「面倒くさいわ。あなたたちで決めてくれればいいのに」