第37章 私は高倉海鈴、別名山内正

言葉が落ちると、会場は騒然となった。

様々な奇異な視線が高倉海鈴に注がれた。

高野広は藤原徹の耳元に近づいて、こっそり尋ねた。「高倉家ってそんなに力があるの?東京大学に奥さんを入れられるなんて?」

藤原徹はバカを見るような目で彼を見た。「高校と大学を同じだと思ってるのか?」

高校なら編入生はいるが、大学にどうやって編入するというのか?

大学に行ったことのない人を、どうやって4年生に編入させるというのか?

冗談じゃない。

高野広は「……じゃあ、奥さんはどうやって東京大学に入ったんですか?」

藤原徹は顔をそむけた。彼に聞かないでくれ、彼にも分からないのだから!

「くそっ、この女、何を言ってやがる?!」

谷口敦はテーブルを叩いた。高倉さんは彼が何度も頼んで東京大学に来てもらったのに、高倉家とは何の関係もない!