第316章 10歳の誕生日プレゼント

高倉海鈴は焦りながら叫んだ。「当てたくないわ!誰だろうと私には関係ないでしょう。自分で探してよ!」

傍らに立っていた山下涼介は「……」海鈴、頭を使えよ!

藤原徹は彼女をしっかりと抱きしめ、彼女の体全体を自分の胸に寄せた。「俺の妹は一人しかいない」

高倉海鈴はそれを聞いて、頭の中が酸っぱくなった。

藤原徹はわざわざ妹は一人しかいないと強調して?彼女の気持ちなんて全然考えていない!

高倉海鈴は目に涙を浮かべ、考えれば考えるほど悔しくなった。「行きましょう!一緒に彼女を探しに!どんな人なのか見てやるわ!」

「ああ」

男は淡々と返事をしただけだが、彼女の体を抑えて離そうとしなかった。

高倉海鈴は顔を上げた。「離して!妹を探しに行くって約束したじゃない?約束を破るつもり?」