第349章 株式を要求する

久保朱里は慌てて説明した。「国生、私もお金を節約したかっただけよ。相場も知らなくて、二億円あれば十分だと思ってたの。ハッカーを雇うのにこんなにお金がかかるなんて知らなかったわ。私...私はあなたのためを思って...!」

「実は大丈夫だよ。クロシオじゃなくても他の人を頼めばいい。前に涼介がハッカーの連絡先を何件か残してくれたじゃないか?この仕事はクロシオにしかできないなんて信じられないよ!」

高倉国生は冷静さを取り戻し、クロシオが自分の面子を潰したことに怒りを覚えた。そうなら、もうクロシオには頼まない。侮辱されるのはごめんだ。

二人は携帯を手に取り、次々と電話をかけたが、相手は東京の高倉家だと聞くと、全員が無礼にも電話を切ってしまった。

最後の一件にかけた時、高倉国生はついに我慢できなくなった。「この案件、かなりの高額報酬を提示しているのに、なぜ誰も引き受けてくれないんだ?」