第415章 高く登れば登るほど、落ちた時は痛い

藤原徹は多くの車を所有していて、普段は高野広が運転していたが、この車だけは藤原徹自身しか運転できず、しかも毎回高倉海鈴を送るためだけに使われていた。

八尾夢子は歯を食いしばった。高倉海鈴のどこが藤原徹の寵愛を独占できるというの?それは本来、彼女八尾夢子のものだったはずなのに!

彼女は顔を青ざめさせ、目には嫉妬と悪意が満ちていたが、高倉海鈴に向かっては笑顔を作って、「海鈴、ちょうどよかった。あなたの話をしていたところよ」と言った。

高倉海鈴は冷淡な表情で、無関心そうに「へぇ、私のことをどんな風に褒めてたの?聞かせて」と返した。

……

空気が一瞬で凍りついた。

周りの人々は口元を引きつらせていた。おそらく高倉海鈴のような厚かましい人間がコンテストに参加できることに衝撃を受けていたのだろう。