高倉海鈴は振り向いて言った。「二人一組でなければならないという規定はありますか?」
「いいえ、そうではないですが……」
「それならいいわ。私は一人で参加します」高倉海鈴はそう言うと、冷淡な態度でデザインホールに入っていった。八尾夢子には一瞥すら与えず、孔雀のように高慢な様子だった。
八尾夢子は顔色を悪くし、歯を食いしばったが、人前だったので感情を爆発させることはできず、ただぎこちなく笑って言った。「海鈴ちゃんは本当に実力があるのね!遠山初美さんのお友達だから、きっと才能があるはずよ。ジェイソンが来たら、挨拶に行かせましょう。もしかしたら二人は知り合いかもしれないわ!」
高倉海鈴はデザインホールに入ると、自分の席を見つけた。29番だった。
デザイナーは番号順に着席し、その後数日間ここで自分のデザインを完成させなければならない。全過程は監視カメラで記録され、デザインの真正性と公平性が保証される。