第422話 材料を間違えた

高倉海鈴も少し驚いた。まさか試合会場で材料を破壊する人がいるとは思わなかった。もし捕まったら、試合資格の剥奪だけでなく、今後デザイン界で生きていくことも難しくなるだろう。

会場にいる人々は著名なデザイナーばかりで、もちろん怒りを表すことはなかったが、アシスタントたちは非常に憤慨していた。材料エリアの雰囲気は非常に気まずいものとなっていた。

高倉海鈴が入室すると、テーブルの上に既に破壊された灰霊珠が置かれているのが見えた。

灰霊珠と霊玉珠は見た目は似ているが、光の当たり方によって全く異なる色を呈する。高倉海鈴は灰霊珠を選んでいなかったが、なぜ誰かが灰霊珠を破壊したのかも理解できなかった。

高倉海鈴はそれを気にせず、自分の材料に向かったが、そこは空っぽだった。彼女は眉をひそめ、スタッフの前に行き、「予約していた霊玉珠はどこにありますか?」と尋ねた。