第424章 証拠が揃う

スタッフが慌てて近づいてきて、焦りながら言った。「申し訳ございません。材料区の監視カメラが突然故障してしまい、今日の午後の映像が全て消えてしまいました。そのため、高倉海鈴さんが材料を破壊したかどうか確認できません。」

皆がため息をつく。これは偶然にしては出来すぎている。監視カメラを確認しようとした途端に故障するなんて、何か隠そうとしているようにも見える。

田村浩が急いで言った。「材料区の監視カメラが壊れたなら、入口の監視カメラは無事でしょう?入口の映像を確認して、高倉海鈴が材料室に来たかどうか調べればいいじゃないですか?」

責任者は頷き、すぐに調査を指示した。

藤原明は焦りで胸が張り裂けそうだった。

彼は高倉海鈴がそんなことをするはずがないと信じていた。しかし田村浩は高倉海鈴が材料を破壊するのを目撃したと断言し、さらに高倉海鈴のブローチがここに落ちていたことは、彼女が確かにここに来ていたことを示していた。これらの証拠は全て彼女に不利なものだった。