第424章 証拠が揃う

スタッフが慌てて近づいてきて、焦りながら言った。「申し訳ございません。材料区の監視カメラが突然故障してしまい、今日の午後の映像が全て消えてしまいました。そのため、高倉海鈴さんが材料を破壊したかどうか確認できません。」

皆がため息をつく。これは偶然にしては出来すぎている。監視カメラを確認しようとした途端に故障するなんて、何か隠そうとしているようにも見える。

田村浩が急いで言った。「材料区の監視カメラが壊れたなら、入口の監視カメラは無事でしょう?入口の映像を確認して、高倉海鈴が材料室に来たかどうか調べればいいじゃないですか?」

責任者は頷き、すぐに調査を指示した。

藤原明は焦りで胸が張り裂けそうだった。

彼は高倉海鈴がそんなことをするはずがないと信じていた。しかし田村浩は高倉海鈴が材料を破壊するのを目撃したと断言し、さらに高倉海鈴のブローチがここに落ちていたことは、彼女が確かにここに来ていたことを示していた。これらの証拠は全て彼女に不利なものだった。

「高倉海鈴、これは一体どういうことなんだ?」

デザイナーたちは怒り心頭で言った。「黙っているということは何なんだ?本当にお前が材料を破壊したのか?八尾夢子を妬んで、こんな卑劣な手段を使うのか?優秀なデザイナーなら、わざと材料を破壊したりしないはずだ!」

「八尾夢子に仕返しをしたいのはわかるが、私たちのことは考えなかったのか?何人もの人が灰霊珠を選んでいたんだぞ。お前のせいで材料がなくなるところだった。私たちはこのコンテストのために長い間準備してきたのに、お前の手で台無しにされるところだったんだぞ?」

八尾夢子は目を見開き、信じられない様子で言った。「海鈴...本当にあなたが灰霊珠を壊したの?どうして...私にこんなことをするの?」

高倉海鈴は冷ややかな目で彼女を見つめ、嘲笑うように笑った。

この八尾夢子は女優にでもなれば良かったのに。全て自分で計画しておきながら、何も知らないふりをして、皆の前で無邪気な少女を演じている。本当に御苦労なことだ。