ジェイソンは冷笑いを浮かべた。「遠山初美先生の友達だって?自分に資格があるのかよく考えろよ。俺の師匠の遠山初美は、お前みたいな新人デザイナーが付き合える存在じゃないんだ。本当に分不相応だな!」
八尾夢子の隣にいた女性が罵声を浴びせた。「高倉海鈴は本当に厚かましいわね!ジェイソン先生は全然知らないって言ってるのに、遠山初美の名声を利用してデザイン界に入ろうなんて、鏡見て自分に似合ってるか確認したら?」
誰かが同調した。「きっと実力がないから、こんな裏道を考えついたんでしょう。遠山初美の友達だと嘘をついて、そんな手段で出世しようとしてるんです。」
ジェイソンは嘲笑いを浮かべながら言った。「こんな奴と話す価値もない。遠山初美先生の友人という身分を騙って大会に参加するなんて、必ず抗議するからな。お前みたいな奴には、私たちと競い合う資格なんてない!」
「どんなひどいデザインを作り出すか知らないけど、遠山初美先生の顔に泥を塗るなよ!」
この言葉は、高倉海鈴の面子を全く立てていなかった。
もしジェイソンの抗議が通れば、デザイン界全体に高倉海鈴が遠山初美の友人を偽装したスキャンダルが広まり、今後どのデザインチームもデザインコンペも彼女を受け入れなくなり、彼女の将来は台無しになるだろう。
しかし高倉海鈴は平然と言った。「遠山初美の名前を利用して大会に参加する者は、デザイナーの資格がないということですね?」
ジェイソンは躊躇なく答えた。「当然だ。まさかお前、この会場に立つ資格があると思ってるのか?」
高倉海鈴は暫く沈黙した後、微笑んで言った。「その考えに大賛成です。後悔しないことを願いますよ。」
この時、審査員が全員揃い、参加者も抽選を終え、これから抽選順に従って自分の作品を披露することになっていた。
この大会はZR集団がスポンサーということもあり、大きな注目を集めていた。テレビ局が全過程を生中継し、多くの記者も取材に来ていた。
今日はチャンピオンを決める日で、デザイン界の先輩たちも多く来場しており、会場は非常に賑やかで壮観だった。
木村香織は小声で尋ねた。「何番なの?」
高倉海鈴は答えた。「最後の29番よ。」
木村香織は目を丸くした。「えっ?八尾夢子は28番じゃない!あなたが彼女の後なんて、これ絶対わざとでしょ?」