第541章 西村家から誕生日プレゼントが届いた

夏目彩美は激怒した。「高倉海鈴はまさに厄病神よ。彼女が戻ってきてからこんなに多くの問題を引き起こして、今度は帰ってこないなんて。外では久保家の悪口を言いふらしているに違いないわ！」

「まあいいわ、帰ってこない方がむしろ気が楽だわ」

夏目彩美は疲れた様子でソファーに座り込んで命じた。「木村お母さん、上階に行って海鈴の荷物を全部捨てて、真美の荷物を戻してちょうだい」

木村お母さんは困った表情を浮かべた。

久保統はすぐに声を荒げて怒鳴った。「あなた、正気を失ったの？海鈴の荷物を全部捨てるなんて。久保真美が彼女を陥れなければ、逆に弱みを握られることもなかったのに。こんな大騒ぎになったのは誰のせいだと思うの？彼女にはもう戻ってくる資格なんてないわ！」

夏目彩美は反論した。「それは海鈴が執着しすぎたからでしょう。そうでなければ、誰も真美のことを悪く言わなかったはずよ。それに、これは陥れたとは言えないわ。ただの姉妹の戯れよ。真美は海鈴と冗談を言っただけなのに、海鈴が問題にしたがっただけじゃない！」

久保統は怒りが頭に上った。「久保真美は私たちの養女に過ぎないのよ。あなたが彼女を可愛がっているからといって、実の娘を堂々と陥れていいわけじゃないでしょう！」

「真美は私たちと20年も一緒に過ごしてきたのよ。血のつながりはなくても、実の娘以上よ！真美は長年久保家のお嬢様として過ごしてきたのに、なぜ海鈴が帰ってきただけで全てを譲らなければならないの？あなたは真美の気持ちを考えたことがあるの？どうしてそんなに冷たくできるの？」

夏目彩美は涙を流しながら言った。「私の真美は幼い頃から贅沢に育てられ、一度も辛い思いをしたことがないのよ。この海鈴が戻ってきてからは、いつも真美をいじめて。もうこんなに年月が経っているのに、実子か養子かなんて重要じゃないでしょう。このままでいけないの？」

木村お母さんは背を向けた。とても受け入れがたかった。

そもそも海鈴は久保家に戻るとは言っていなかった。あなたたちが自ら彼女を探しに行ったのに、今になって現状維持を望むなんて。そもそもなぜ彼女の生活を邪魔したのか。それは当主の命令と、夏目秋さんが残した巨額の財産に目がくらんだからではないのか。