第549章 約束を破る不誠実な人々

藤原次男坊は少し怖がっていたものの、高倉海鈴が大きな馬に乗る姿があまりにもかっこよく見えたため、我慢できずに駆け寄っていった。

高倉海鈴は馬を数回撫でながら、優しく声をかけ、その後軽やかに馬から降りた。

続いて藤原明が馬に乗り、スムーズに跨がると、馬は藤原明を乗せたまま素早く走り出した。藤原明を振り落とそうとする様子は全くなく、一周してから大人しく元の場所に戻ってきた。

皆は非常に驚いた。

「この馬、とても大人しそうですね!」

「そうですね、訓練されているのが一目で分かります。それに賢い馬で、藤原次男坊を元の場所まで連れ戻すことも知っていました。ただ、さっきまであんなに荒れていたのは不思議ですね。」

「藤原奥様は乗馬ができないと言っていたのに、この馬を操れました。でも八尾さんは乗馬が得意だと言っていたのに、この馬に振り落とされましたね。」