第528話 誰が久保の奥様に自信を与えたのか?

皆は沈黙し、気まずい表情を浮かべ、上座にいた青山の奥様は怒りで顔を真っ赤にしていた。

夏目彩美はバカなのか!

全員が先ほどの録音を聞いていた。明らかに夏目彩美が高倉海鈴に藤原社長の機嫌を取るように言ったのに、今になって藤原社長が承諾したら、全てを高倉海鈴のせいにするなんて、あまりにも卑劣だった。

夏目彩美は高倉海鈴が黙っているのを見て、罪を認めたと思い込んでいた。しかし、事が終わったと思った瞬間、高倉海鈴がゆっくりと口を開いた。

「お母様も兄が間違ったことをしたと分かっているんですね。殺し屋を雇うなんて!これは懲役もののことですよ。」

彼女は顔を横に向け、にこやかに言った。「藤原社長、それならもういいです。」

藤原徹は頷き、その後何気なく命じた。「よし!高野広、直ちに久保政宗を起訴しろ。」