第526章 恋愛は育むことができる

山本執事は口を開いた。「はい！お嬢様、自分の実の娘さえも気にかけない人が、他に何を大切にできるでしょうか？皆様、どうぞお帰りください」

「こ...これは私たちとは何の...」夏目彩美は困惑した表情を浮かべ、反論しようとしたが、その勇気はなかった。

久保真美は歯を食いしばり、暗い表情を浮かべていた。

この山本執事は本当に余計なことをする。なぜ録音を流すなんてことを！

夏目彩美は目を転がし、へつらうような表情で言った。「青山の奥様、これは本当に私のせいではありません。実は...海鈴が私たちと再会する前から、外で男性と付き合いが多く、多くの男性を誘惑していたと聞いていたんです。だから私は意図的にそう言って、彼女が本当に承諾するかどうかを確かめたかっただけなんです」

「政宗のことについては、私たちは皆、政宗という子があまりにも無謀だったことを知っています。藤原社長が政宗を罰するのは当然のことです。私が海鈴に藤原社長の機嫌を取るように言ったのも、彼女がこの機会を利用して藤原社長に近づき、手段を使って誘惑しようとするかどうかを試すためでした」

「もし彼女が本当に藤原社長を誘惑したら、私は彼女を連れ戻してしっかりと教育するつもりでした。私は海鈴の実の母親です。彼女を害するはずがありません。ただ、彼女が間違った道に進まないように、丁寧に育てたいだけなんです」

「私は彼女のためを思ってのことだったんです！」

「でも彼女が同意し、こんなに長い間戻ってこないなんて思いもしませんでした。海鈴はあの子は政宗とは何の感情もないはずです。兄のために頼みに行くはずがありません。きっと藤原社長を誘惑して、上流階級に這い上がろうとしているんでしょう。自分の実の娘がこんなにも恥知らずな行為をするなんて思いもしませんでした。私が彼女を好きになれないのも無理はありません。彼女の行動は本当に恥ずかしいものですから！」

青山の奥様は冷笑した。久保家は明らかに海鈴に藤原徹の機嫌を取らせ、藤原徹に久保政宗を解放させようとしていた。今や事が露見し、全ての責任を海鈴に押し付けようとしている。

夏目彩美は悲痛な様子を装って言った。「まさか、この娘が性格が悪いだけでなく、男のために自分の名誉も捨ててしまうなんて。私たち久保家の顔に泥を塗ってしまいました！私...私はもう手の施しようがありません！」