第584章 久保家が愛さない娘を、西村家が愛そう!

夏目彩美は泣きながら言った。「真美は私が小さい頃から育てた娘よ。実の娘のように可愛がってきたのよ!真美!真美、大丈夫なの?お母様!どうしたいの?ご覧なさい、真美の顔色がこんなに悪くなってるのに、あまりにも酷いわ……」

「久保真美が過ちを犯したから私が罰として正座させているだけなのに、皆さんは随分と心配そうね。あの不届き者の久保政宗が人を使って海鈴の車に衝突させた時は、誰一人心配する声も上げなかったのに?」

バン!

西村奥様は手にした杖を強く床に叩きつけ、冷たい表情で言った。「夏目彩美、今日はっきりと聞かせてもらうわ。実の娘を取るのか、それともこの腹黒い養女を取るのか?」

久保家の三人は顔色を変えた。

久保真美の華奢な体は突然力が抜け、夏目彩美の胸に倒れ込み、無言で涙を流した。

夏目彩美は眉をひそめ、「お母様!何をなさろうというの!私は二人とも娘として…」

「二人の娘を持つことを禁じているわけではないわ。でも海鈴はあなたたちの実の子よ。何事も海鈴を第一に考えるべきなのよ。久保真美を可愛がるのは構わないし、平等に扱うのなら私も何も言わないわ。でもあなたは久保真美に海鈴をいじめさせている!私が実の孫娘にあげた誕生日プレゼントを、あなたは養女に渡してしまった。本当に分かっていないわね!」

「もしあなたが海鈴を好きじゃないというなら、私は強要しないわ。その代わり、海鈴を秋の養女にして、これからは西村家の誇り高きお嬢様として迎えることにするわ!」

夏目彩美は目を見開き、悔しそうに叫んだ。「だめよ!私の実の娘なのに!どうして姉に養女に出さなきゃいけないの?」

「やっと海鈴があなたの実の娘だと認めたわね」西村奥様は冷笑し、冷淡な目つきで言った。

「よく分かっているようね。それなのに養女に実の娘をいじめさせ、私からのアクセサリーを養女に着けさせ、海鈴を陥れる計画を許し、物を盗んだと誣告させて、海鈴の名誉を傷つけようとした!」

「夏目彩美、私の決定にあなたの同意は必要ないわ。ただ通知しているだけよ」