第927話 クズ男の中の戦闘機

「彼女が死にたがっているようには見えないけどね!あなたたち、厚かましい性格なんじゃなかったの?どうして少し言われただけで耐えられないの?」西村秀次は皮肉っぽく言った。「実は祖母が当時愚かだったのが悪いんです。どうしてこんな渣男と結婚したんでしょうね!あの男女を早くくっつけておけばよかったのに。残念ながら夏目の祖母は一生小三という汚名を背負うことになって、それを人に言うのも気が引けますよね!」

「聞いた話では、当時は夏目さまが自ら西村奥様に求婚して、婿入りまで承諾したそうですよ。祖母は夏目家が西村家の財力と権力に目がくらんでいることを知りながらも嫁いだのは、そんな男なら必ず一途に愛してくれると思ったからです。でも思いもよらず、この男は浮気をしました。こんなことになるとわかっていたら、祖母は没落した夏目家になど嫁ぐ必要はなかったのに。彼女の容姿と家柄なら、夏目さまより百倍も良い男性が見つかったはずです!」