第969章 罪を認めて謝罪する

夏目茜は恥ずかしさで頭を下げた。自分の名声がこのように台無しにされるのは許せない。山内正の作品を盗作したのはあの小さなデザイナーで、決して自分ではない。なぜ自分が非難されなければならないのか?

「陸田さん、この図面は私がデザインしたものではありません!」

彼女は唇を白く震わせながら、今は間違いを認めるしかなかった。山内正のファンの怒りに抗うことができなかったからだ。歯を食いしばりながら、一言一言はっきりと言った。「この図面は元々高倉さんのものです。彼女が山内正の作品を盗作したのです!」

今や自分の名声は台無しになったが、あの嫌な女だけを良い立場に置いておくわけにはいかない。自分は無名のデザイナーの作品を盗用しただけだが、あの女は山内正の作品を盗用したのだ!

その言葉が落ちると、皆は目を丸くした。つい先ほどまで、夏目茜が高倉デザイナーを厳しく非難していた場面が目に浮かぶのに、実際は夏目茜が彼女のデザイン画を盗んでいたのだ。

高倉海鈴は眉を上げた。ようやく本当のことを話したか?でも遅すぎる!

陸田晋は高倉海鈴の瞳を見つめ、心中で理解した。軽蔑した口調で言った。「夏目さんは本当に人に泥を塗るのが上手ですね。このデザイン画には明らかにあなたの名前が書かれているのに」

今、夏目茜は後悔でいっぱいだった。元々は自分の潔白を証明するためにデザイン画を使おうとしたのに、今では自分がそのデザイン画を持ってこなかったらよかったと思うほどだった。自分で自分の首を絞めてしまったのだ。

その場に立ち尽くし、焦って汗を流す彼女は、今となっては誰かに責任を押し付けるしかなかった。歯を食いしばって言った。「これは...私のマネージャーの田村圭がくれたデザイン画です」

田村圭は非常に困った表情を浮かべたが、すぐには反論しなかった。夏目茜が自分に責任を押し付けようとしているのは分かっていたが、拒否することはできなかった。夏目茜が駄目になれば、自分の何年もの努力が無駄になってしまうことを知っていたからだ。

彼女は頭を下げ、すべての罪を認めるような態度を取ったが、陸田晋が簡単に彼女たちを許すはずがなかった。