第054章 120ポンド

(第三章は遅めのアップロードになりますので、明日の朝にご覧ください。)

上海と北京のバーを全て制覇したと自負する梅ちゃんは、陳二狗に断言した。SDのようなハウス系のバーでは、ナンパには何の技術も要らない。唯一必要なのは、外見とダンスの腕前、そして財布の厚さだけだと。その場にいた張兮兮も大いに同意し、陳二狗を容赦なく批判した。金もなければ、見た目も悪く、服のセンスもなく、ダンスも硬いと。実際、陳二狗は小夭が七浦路で丹念に探し出した服を着ていた。安物ではあったが、少なくともさわやかに見えた。また、一般的な大学生の贅沢な雰囲気とは異なる陳二狗の独特な雰囲気も目を引いた。さらに、この界隈で築き上げた威信も相まって、バーに来る女の子たちの多くが、様々な理由で彼に対して不純な思いを抱くようになっていた。しかし張兮兮はそんな長所など気にも留めず、頭上にお金を投げつけられると特別な快感を覚え、まるで天を仰いで大笑いする太った女になりたがっているかのようだった。

張兮兮がバーに来るのは、主に夜の娯楽がない時に小夭に会いに来るためだった。一方、梅ちゃんは陳二狗に取り入るためだった。彼の頭の中は『東周列國志』や『三国志演義』といった現代人には荒唐無稽に思える演義の物語でいっぱいだった。張兮兮の最大の趣味は陳二狗のあらゆる良いイメージを潰すことで、次いで顧炬の仲間内で昔の有名人だったこの男を軽蔑することだった。彼女には、なぜ格好いい北京の高幹の子どもが目が曇って陳二狗に執着するのか理解できなかった。向かいに座る高翔を一瞥して、真面目な顔で言った。「梅ちゃん、前は気づかなかったけど、あんた頭おかしくなったの?顧炬たちと楽しく過ごしてたじゃない。どうして二狗っていう畜生に会ってから、こんなにひどい堕落ぶりなの?」

「お前こそ頭おかしいんだよ」