第50章 竹葉青、紅紅の胭脂

「義理もないくせに、俺の商売に手を出そうってのか?」陳二狗は淡々と笑いながら言った。

「狗兄、兄弟のために命を懸けるような時代は終わったんだ。兄弟を裏切らないだけでもマシな方さ。映画やドラマの中の義理なんて嘘っぱちだよ。本当に兄貴のために二、三十年も刑務所に入る奴なんていないし、家族の命を他人に預ける奴もいない。今のヤクザは金と利益だけだ。分け前だって市場での売り買いと同じさ。少なくとも俺が知る限りはそうだ」高翔の言葉は耳障りだったが、少なくとも本音だった。

「梅ちゃん、お前は仏様みたいな心の持ち主だ。俺のような小さな寺には相応しくない。俺にはお前の兄貴分になる資格はない。お前が正直に話してくれたから、俺も本当のことを言おう。俺には金もないし、ここは完全な清水役所だ。お前を守る力もない。何かあったら、残された数人の仲間で戦うしかない。お前は体が弱いから、逃げ出したら俺は嫌な思いをする。逃げずに戦えば、一歩間違えば命を落とす。そうなったらお前の親に申し訳が立たない。だから忠誠を誓うのは急ぐな。SD バーには遊びに来ていいから、頭を冷やしてからこの件について考えろ」陳二狗は静かに言った。上海に来てまだ間もないが、張家寨では一生経験できないようなことを経験してきた。彼はスポンジのように、この都市の独特な雰囲気を必死に吸収していた。

少し不本意そうな梅ちゃんは、結局うなずいた。十数年の学校教育と、官界で半生を過ごした父親たちと二十数年暮らしてきた経験から、この程度の忍耐は持ち合わせていた。