第1章 雞鳴寺、臙脂井;般若壁、虫飛び_2

「最後、意外にも君は雞鳴寺に来たから、私は君が女性だと思ったんだ」

彼女は笑うと両頬に二つの笑窪ができた。「少なくとも前世ではそうだったわ。だって、この雞鳴寺は今は尼僧院でしょう。尼僧って知ってるでしょ?」

自分のことを男らしいと思っていた陳浮生は、女性と言われても彼女に腹を立てなかった。彼女のあの顔は人を俗世から遠ざけたくなるようなものだったが、王虎剩に対しては怒りを感じた。どこでもいいのに、なぜこんな場所を選んだのかと思い、思わず罵声を上げた。「くそったれ」

陳浮生は彼女を罵ったわけではなかったが、彼女にはそれが分からず、驚きと悲しみの入り混じった可憐な表情を浮かべた。

そのため陳浮生は慌てて、気まずそうに説明した。「君を罵ったわけじゃない。ただ、つい口癖で出てしまっただけだ」