第17章 騒動

「重賞の下には必ず勇者あり」という言葉は間違いないが、陳二狗は実際この厄介な問題に首を突っ込みたくなかった。負ければ、道理の通じない魏冬蟲に怒りをぶつけられ、これからの日々も散々な目に遭うことは間違いない。たとえ運良く勝ったとしても、魏冬蟲が本当に彼の頬にその高貴な唇を寄せるだろうか？

陳二狗が試合に出場したのは、予想外の人物を見かけたからだった。南麓の一軒家で毎朝早くから読書をする静かな少女。彼女は陳二狗にとって山水華門で最大の謎であり、池の最も片隅に咲く白い蓮のように、一点の塵も付かない存在だった。鶏糞や犬の糞が散らばる村から来た陳二狗は、このような清潔で白く柔らかな女性を見ると、近づいて少しでも色を付けずにはいられなかった。そこで彼は意を決して、皆の注目を集めながらコートに上がり、ほとんどの女性が目を奪われる端正な青年と、黒クマのように巨漢の男と対峙した。しかし、彼の参加は状況を一変させることはできなかった。傲慢な二人のチームメイトは彼を完全に無視し、居心地の悪い陳二狗は、ボールを持たずに走り回るだけで、まるで道化のようだった。もともと藁にもすがる思いだった魏冬蟲は、陳二狗が誰よりも一生懸命走り回るものの空回りする様子を見て、笑いたくても笑えなかった。

くそ運だ。

魏冬蟲はつぶやいた。