第21章 拳銃自殺
王虎剩と王解放は再びバスケットボールコートで陳二狗と張三千という「父子の戦士」に蹂躙された。王虎剩は上半身裸で地面に座り、大きく息を切らしていた。浅黒い肌で痩せた体つきは、上半身裸で逞しい筋肉を見せる王解放とは対照的だった。だから山水華門の貴婦人たちが王解放に色目を使い、彼には鼻で笑って相手にしないのも無理はない。王虎剩は少し離れた所に座る陳二狗を横目で見て、少し腹が立った。陳二狗のやつはシュートが極めて正確なだけでなく、王解放との一対一の身体接触でも引けを取らない。突き槍と同じ要領だということを知らないのだ。突き槍の技が神業の域に達すれば、バスケットボールも上手くなる。それに張家寨の粗末なバスケットゴールの下で陳二狗が一対一で戦っていた相手が誰だったかを考えてみろ。それは一撃の寄り掛かりで吳煌を内出血させた陳富貴だ。陳富貴との一対一に慣れてしまえば、これまでバスケットボールに触れたことのない王虎剩兄弟を相手にするのは朝飯前だった。張三千は地面にしゃがみ込んで、山水華門で山賊の王としての威信を確立しつつある黒チャカルと戯れながら、笑顔の陳二狗を見上げて、おそるおそる尋ねた。「三叔、楽しいですか?」
「なぜ楽しくないんだ?」陳二狗は反問した。