一晩中眠れなかったものの、陳二狗は時間通りに跳ね起き、ベッドから飛び出して、洗面を済ませると突き槍を持って腕力の練習に向かった。背中合わせで木に寄りかかっていた張三千がいなくなり、陳二狗は少し寂しく感じた。あの子は彼の手の中で半分だけ彫り上げられた石のようで、やっと石の中の翡翠の片鱗が見えてきた時に、他人に持ち去られて篆刻されることになった。張三千にとって、諸葛老人のような神仙のような国手に育てられる方が良いことは分かっていても、どこか小さな心残りがあった。
何度も投げ続け、汗を流しながら、ようやく練習を終えると、遠くに見覚えのある顔が立っているのに気付いた。南麓の一軒家に住み、毎朝決まって読書をしている少女だった。この世のものとは思えないほど美しい。彼女は陳二狗を見つめ、手で張三千の身長を示すしぐさをして、なぜあの子が来ていないのか尋ねているようだった。陳二狗は彼女に対してあまり警戒心を持っておらず、それに本当に誰かが諸葛清明のところまで殺到できたとしても、止めることも守ることもできないだろうと思い、「彼は誰かと二胡と書道を習いに行きました」と説明した。
少女は自分の口と耳を指さし、優しい笑顔で、少し申し訳なさそうな表情を浮かべた。
陳二狗は数秒間呆然として、彼女が聾唖者だと理解した。一瞬ぼうっとしてしまった。曹蒹葭の、その美貌さえも忘れさせる名家の気品に触れ、また竹葉青の妲己のように、人々を魅了しながらも警戒心を抱かせる雰囲気も経験してきた。これが陳二狗に誤解を与えていた。美女には致命的な欠陥がないものだと。たとえあったとしても、彼のような庶民には見抜けないものだと思っていた。今日この静かな少女に出会うまでは。