第2章 大出世後の小出世_3

次に陳慶之を見ると、方婕は警戒心を抱いた。この人物は陳浮生の参謀ではないが、完全に独り立ちできる存在だ。王虎剩と王解放兄弟も、方婕は侮れなかった。彼らは命知らずの輩で、陳浮生という橋渡しがなければ、方婕は一生このような人殺しも厭わない山賊のような連中と関わりたくなかっただろう。彼らは宋代の皇太子とは違う。後者は南京に家族がいるため、底線を大きく超える過激な行動はしないだろう。

幸い彼らは敵ではなく、友人だ。

方婕は微笑んで立ち上がり、全員で乾杯することを提案した。子供たちはジュースで代用する。

一見遠慮なく話すが実は言葉巧みな王虎剩がいて、しかも彼は皆からからかわれることも気にしない。さらに曹蒹葭たちが意図的に会話を繋いでいくおかげで、食事は和やかな雰囲気に包まれた。周驚蟄は今や陳二狗と運命共同体であり、陳二狗が方家との和解を選んだなら、彼女も方婕との対立を解消できて嬉しかった。季靜については、おそらく方婕がこの期間に多くの出来事を経験したため、財産分割の件で譲歩する姿勢を取り、季靜は望んでいた約束を得たので、当然不機嫌な顔をすることもなかった。方婕が紫金山脈にある鐘山美廬別荘を陳二狗に新婚の家として贈ると言ったときでさえ、ただ軽く微笑むだけで、少しの不快感も示さなかった。