第12章 洗濯板_2

韓坤は陳二狗を彼が一度も座ったことのないオフィスに案内した。それは個室で、ガラス越しに人事部の一挙手一投足を観察できるようになっていた。陳二狗は自分の出現が誰かの昇進を妨げたのかは知らなかったが、今日の彼はそれを無視することができた。賊を捕らえるには首領を先に捕らえよ、方婕を押さえれば青禾を押さえたも同然だ。韓坤が先に辞去し、陳二狗は椅子に座り、窓の外の工業団地の景色を眺めながらぼんやりと考え込んでいた。

人事部を出るときに「陳社長、こんにちは」という声が続いて聞こえ、陳二狗は慌てて応じ、微笑みながら頷いた。曹蒹葭の言う通りにこの部門の全従業員の資料を暗記しなかったことを少し後悔していた。この数日間、思想的境地も視野も彼よりはるかに高い婚約者が人を操る術について語っていたが、陳二狗はぼんやりと聞いていた。それは長い論説と次々と出てくる実例で、消化する暇もなく、とりあえず頭に詰め込むだけで精一杯で、録音機を使いたいくらいだった。陳二狗は曹蒹葭がなぜ急いですべてのことを彼に教えようとしているのか分からなかった。まるで小学生を一気に大学生に育て上げようとしているようだった。陳二狗はもちろん不満はなく、ただ必死に覚え、必死に学ぶだけで、知性と美貌が比例する婚約者をからかう時間も余裕もなかった。これはおそらく曹蒹葭が彼に触られるのを避ける唯一の手段だったのだろう。