そういうことだったのか

寧海大学で。

雲氷はここ数日イライラしていた。彼女は特に気をつけていたが、葉黙の姿を見かけなくなってからずいぶん経っていた。以前の葉黙は教室にはあまり来なかったものの、図書館で彼の影を見かけることはよくあった。しかし、ここ数日は図書館ですら、見かけなくなっていた。

葉黙が目の前から消えれば、自分のやりたいことに集中できると思っていた。しかし、あの日、鄭文喬と彼の先輩が誰かに殴られて知能障害になってしまったニュースを見ると、どこか自分に関係があるような気がした。葉黙に聞いてみたかったが、彼はあんな態度を取り、最後は自分を寧湖に投げ込もうとさえ脅した。

あの獣めが、自分の裸を見たところか、手で触ったかもしれないのに、自分にあんなに横柄な態度を取るなんて。これらのことを考えると、雲氷はイライラが募った。もしかしたら寧海にはもう居られないかもしれない、いっそう燕京に戻ろうか。

寧海を離れることを考えると、雲氷はむしろほっとした。とっくに離れるべきだったのだ。

住まいに戻った雲氷は、まず食事の支度をするのではなく、自分の荷物をまとめ始めた。荷物をまとめ終わると、部屋の掃除を始めた。

なんで部屋にSDカードが残されたの?雲氷は壁の隅に落ちていた8GBのSDカードを拾い上げ、しばらく困惑した。彼女自身はSDカードを使わないのに。しかし、すぐにあの粉々に壊れたカメラのことを思い出した。あの日、葉黙が去った後、部屋で壊れたカメラを見つけたが、中身は全て壊れていて、理解できずそのままにしていた。

今、このストレージカードを見つけると、すぐにこれがあのカメラのものだと気づいた。カメラは壊れていて、当時はストレージカードが見つからなかったが、どうやらここまで飛んでいたらしい。部屋を整理していなければ、見つからなかっただろう。

雲氷はノートパソコンを開き、SDカードを挿入した。中には動画ファイルが1つだけあった。雲氷は再生ソフトで開くと、画面には会話と映像が表示された。

「喬さま、こっちはもうやってます」それは彼女に飲み物を渡した先輩の声だった。