葉黙と池婉青がテントから出てきた時、盧琳と郭起たちはすでに焦るほど待っていた。二人が出てくるのを見て、やっと安心した。今回の六人チームはすでに二人の仲間を失っており、ここまで来て池婉青までも失うことになれば、今回の作戦はもはや単なるミスではなくなる。
しかも池婉青の身分と家柄は非常に特別で、もし本当に何かあったら、盧琳が責任を負えないどころか、彼女の上司の上司でさえ責任を負えない。幸い今回も無事だった。
「盧隊長たちは、ここで休んでいてください。俺は少し行ってくる」葉黙は言い終わると、皆の返事も待たずに森の中に入っていった。彼はあの眦螂に興味を持ったのだ。
眦螂が現れた場所には、必ず霊草のようなものが存在する。霊草が見つからなくても、あの眦螂自体を捕まえるのも悪くないことだ。眦螂は霊獣とは言えないが、すでにある程度の意識があるため、主になつくことができる。ただの野獣だったら、人になつくこともできず、ただ飼育するしかできない。
眦螂は彼には必要ないが、捕まえて池婉青にあげることはできる。池婉青は先ほど彼を救うために命を危険にさらした。そんな彼女にペットを贈っても大したことはない。
「葉さん、待ってください。一緒に行くから」池婉青は懐中電灯を持って突然ついてきた。
郭起が池婉青を呼び止めようとしたが、逆に盧琳に止められた。「婉青は葉黙にやけに依存していることに、気づいていないの?あの少し冷たい性格は、家庭環境によるものだわ。葉黙は普通の人ではない。彼なら婉青の面倒を見られるはず。だから邪魔しないで」
少し間を置いて、盧琳は続けた。「葉黙のような人が我々『隼鷹』チームに加われば、我が軍においても、うちに対抗できるチームは数少なくなるでしょう」
郭起は首を振って否定した。「さっきも言ったじゃないですか。彼は普通の人ではないって。そんな人が軍隊には絶対に入りませんよ。それに俺はどうも、彼は制限されるのを嫌う人のような気がします。自由気ままな生活が彼に一番合っているのかもしれません」