尻もちをつく

「何だと?」朴東横は流暢な華語を話せるものの、陳為林の提案で声を荒げた。一か月間挑戦を受けてきたが、寧海では誰一人として彼の相手になれなかった。今や誰かが道場の全員に挑戦しようとしている、それも同時にだ。

朴東横は顔を青ざめさせながら答えた。「いいだろう。だだし、まずは私を倒してからにしろ。私との試合の後では、もうそんな大事は言えなくなるだろう。いや、もしかしたら喋れないかもしれないがな。申し訳ないが、陳会長、試合中は手加減しないということを彼に伝えてほしい。病院送りになってから後悔しても遅いからな。我々『韓風』は挑戦は歓迎するが、相手を選ばないわけでもない。忠告は以上だ。それでも勝負する気があるなら、早くしろ」

そう言うと、彼は背を向けて座り、目を閉じて休息を取り始め、それ以上陳為林と話す気がないようだ。

「なんだって?今夜の挑戦者は一人で『韓風』テコンドー館の全員に挑むつもりだって?本当なのか?」

「すげえな、誰だよそいつ。そんなに強いのか。負けたとしても、俺は応援するぜ」

会場の人々がこの情報を知ると、たちまち沸き立った。このニュースは瞬く間に会場中に広がり、わずかな希望を抱いていた応援者たちの熱気が一気に高まった。可能性は低いと知りながらも、その熱意は抑えきれないほどに爆発した。

葉黙は長く待つことはなかった。陳為林が別の一人を連れてやってきた。陳為林の後ろにいた人物は契約書を持ってきて、葉黙にサインと印形を求めた。

その人物が去った後、陳為林は説明した。「あの韓國人が言うには、まず彼を倒さなければ、道場の他のメンバーと戦う資格はないそうです。今、彼は既にリングで待っています」

熱気と興奮に包まれていた会場は、葉黙が入場すると突然静かになった。大言壮語を吐いた挑戦者は、がっしりとした体格でなくとも、少なくとも背が高くて体格がいいだろうと思っていたのに、葉黙はまるで学生のように静かで穏やかな様子に見える。