第17章 妖の災い(お気に入り登録をお願いします)

数日後、夜。

方家屋敷の裏門。

一片の烏雲が何処からともなく現れ、月明かりを遮った。

暗闇の中、裏門がゆっくりと開き、一つの人影が滑り出た。

その人影は左右を見回し、誰も気付いていないことを確認すると、すぐに背を丸め、路地と街角に沿って歩き、突然一瞬で民家の中に潜り込んだ。

「へへへ...何お爺さん、やっと来たな!」

部屋には油灯が灯され、背の高い覆面の大男が、福執事を冷笑いながら見つめていた。

「わしは言われた通りにすべてやったぞ。わしの孫はどこだ?」

福執事の表情は硬かった。

愛する孫が人質に取られていなければ、決して主家を裏切ることはなかったはずだ。

「ふん、あの男が消えた期間にどこへ行ったのか探ったか?それに金銀の隠し場所も分かったか?」

覆面の男が尋ねた。

「分かるわけがないだろう?あの方は用心深い方だ」福執事は溜息をつき「何度も部屋に入ってみたが、何も見つからなかった...早く孫を返してくれ。この老いぼれは遠くへ逃げるつもりだ!」

彼は方夕の素性は知らなかったが、相手の使うものは必ず上等で、食事も贅沢なことから、きっと大きな名門の若旦那に違いないと分かっていた!

このような主家を裏切った以上、福の老人は逃げることしか考えていなかった!

「我々の以前の約束は、お前が有用な情報を探り出してこそ、だ」

覆面の男は罵った「お前は役立たずだ。以前、餓死寸前だったのも当然だな!」

「そうだな...私も思いもしなかった。当時、阿福、お前と孫が道端で餓死寸前だった時、私が救ってやったのに、結果的に私を裏切るとはな」

その時、窓の外から突然声が聞こえた。

「なんだと?」

福の老人と覆面の男は共に驚いて窓の外を見た。

バン!

部屋の扉が突然開き、方夕が悠然と歩み入ってきた。

「死ね!」

次の瞬間、覆面の男は高く跳び上がり、下腿を縦に振り下ろし、まるで巨大斧のように叩きつけた!

彼の反応は素早く、人の気配を感じるや否や、すぐに攻撃に転じた!

「やはり紅蛇腳だな!」

方夕は大笑いし、一掌を繰り出した。

彼のこの一掌は後発先至で、まるで壁のように、覆面の男の上から下への一蹴りを受け止めた。

バン!

掌影と脚影が衝突する中、覆面の男は窓を突き破って、そのまま外へ吹き飛ばされた。

「さすがは白雲掌!」