空は暗く沈んでいた。
方夕は頭を上げ、目を細めた。
黒石城が魔域に落ちてから、街の人々は太陽を見ることができなくなった。
外の世界が昼間の時は、街の中は曇り空のように、わずかな光が差し込んでいた。
外の世界が夜になると、街全体が底知れぬ闇に包まれた。
城門の前。
方夕は手を後ろに組み、内外を隔てる黒い霧に目を向けた。
傍らには白雲武館の車列があった。
唐旋は手押し車を押していた。その上には白夫人が乗っており、千の媚びと百の艶を持つ容姿の彼女は、今は憂いを帯びた表情で黒い霧を見つめ、傍らには多くの物資が積まれていた。
劉濤濤、慕縹緲たちも荷物を背負い、不安げな様子だった。
さらには張駿鳴までもが、数人の浮浪児を連れて来ていた。
「この黒い霧は試してみたが、どんなに外に向かって歩いても、結局元の場所に戻ってしまう...地下に穴を掘っても、同じように黒い霧があるんだ!」
慕蒼龍はため息をつきながら尋ねた。「いつ出発するんだ?」
「人を待っている!」
方夕は黙って待ち続けた。
およそ線香二本分の時が過ぎた頃、また一行が駆けつけてきた。
それは数十人からなる車列で、中央の二台の馬車を護衛していた。
前方の馬車の帳が開き、肉山のような姿が現れた。それは韓デブだった。「はは...方兄弟...お前の知らせを受けて、韓さんはすぐに全財産を持って来たぞ!」
方夕はその二台の馬車、特に艶やかな毛並みの駿馬を見て、言葉を失った。
この街で人々が飢えて死んでいく中、家畜をこれほど肥え太らせているとは、まさに人の道を外れていると言わざるを得なかった!
「くそ、こいつの食料はどこから...ああ、そうか、俺からか。なら問題ない!」
彼は首を振り、従う人々を見渡しながら、次第に重々しい声で言った。「符術は一枚しかない。チャンスは一度きりだ。通路が開いたら、自分で判断してくれ!」
方夕は黒い霧の前に進み出て、その「破禁符」を取り出した。
その時、街中の巨木が何かを感じ取ったのか、無数の木の葉がざわざわと揺れ始めた。
「オォォン!」
全身に蔦が絡みついた妖狼が天に向かって咆哮し、四肢を踏み鳴らして猛進してきた。
それだけではない。街の中心部からは、半分が欠けた巨大な蛇や、家よりも大きな猿も...