第56章 嫁ぐ(枇杷荫里校書人同盟長に贈る!)

また一ヶ月が過ぎた。

この日。

方夕は自分の臨書した字帖を見つめ、そこにある一文字一文字が形も意も完璧で、丸みを帯び、瑕疵なく、まるで光を放つかのようだった。

「神勁合一……成功した!」

この瞬間、方夕は体内の真気の運行が思いのままになり、さらには皮膚の下で、体外に放出されそうな衝動を感じた……しかしそれは単なる衝動に過ぎなかった。

「真罡武聖の真罡は外に放出できるという噂は、おそらく本当なのだろう……」

神勁合一とは、真気の運行が極めて精妙な境地に達することだ!

そして宗師とは、真気が真罡へと変化することだ!

真罡は破壊力と防御力が大幅に増すだけでなく、体外に放出することさえできる!

方夕はこの段階を完了し、四段武師となり、この境地の頂点に達した。

次は神融天地、天人合一の道を目指し、宗師への昇進を期すのだ!

「残念ながら……四段武師は元合山にまだ少し経験があるが、宗師への突破方法は……令狐山にも関連する秘法がない……でなければ二十年も足止めされることもなかったはずだ!」

書き終えた後、方夕は上機嫌で練武場に向かった。

この時、練武場には相変わらず孫紅蝶一人だけがいた。

この一ヶ月の間に何人かの弟子が入門に来たが、すぐに逃げ出してしまった……

「師匠……私はいつになったら気血を会得して、気血一変に入れるのですか?」

孫紅蝶は方夕を見るなり、怨めしそうな目を向けた。

毎回師匠は彼女が天賦の才があり、気血一変に入るのは一瞬の事だと言っていたが、今では……数ヶ月も経っているのに、まだ入門すらできていない。

「もうすぐだ、もうすぐ。」

方夕は微笑んで言った:「焦る必要はない……」

実際、この孫紅蝶の武道の資質の低さは、彼の予想をさらに超えていた。

それに、この弟子は毎日、家の雑事に心を奪われ、武道に専念できず、何か成果が出るはずがない!

彼の以前の褒め言葉は、すべて子供をなだめるためのものだった。

頬を膨らませた孫紅蝶を見て、方夕は失礼にも笑ってしまった。

「はぁ、こんな時になって、やっと自分が少年だと実感できるな……」

つい先日過ぎた十八歳の誕生日を思い出し、方夕は少し感慨深くなった。

大涼世界に来てからは、修行と突破に忙しく、こんな重要な日も祝う暇がなかった。